こんにちは、現場の基礎屋・塩津です。兵庫県西宮市で住宅の基礎工事を15年やっています。
前回(基礎工事の工程ごとに、写真を残そう)の記事で、「現場見学に行ったらスマホでパシャパシャ撮ってきてほしい」って書きました。
そしたら、こんな声をいただきました。
- 「写真撮りたいけど、具体的に何撮ればええんか分からん」
- 「鉄筋の写真撮っても、後で見返した時に何が映ってるか自分でも分からなさそう」
- 「子供連れで行きたいけど、どこ撮ればいい思い出になる?」
確かにその通りです。「撮ろう」だけ言われても、初めての家づくりで何が大事なのか、何を撮れば後で見返せるのか、なかなか分かりません。
そこでこの記事では、現役の基礎屋として、
- 施主さんに「絶対これ撮っといて」と勧めたい5枚
- 各写真の撮るタイミング・角度・コツ
- 現場で失敗しないためのマナー
- 撮った写真の活用方法
を、できる限り具体的にまとめました。
「粗探し」のための写真じゃありません。
家族の思い出として、そして万が一の時の記録として、両方役立つ5枚を選びました。
先に結論|記録に残しておくべき5枚
細かい話に入る前に、まず全体像を見せます。これが今回紹介する5枚です。
- 何もない敷地の全景(ビフォー写真)
- 組み上がった鉄筋(配筋写真)
- 捨コンクリート+防湿フィルム
- コンクリート打設中(生コンが出てくる瞬間)
- 完成写真(アフター)
順番に解説していきます。各写真には📸 撮影のワンポイントとして、構図やスマホ設定のコツも添えました。
1枚目|何もない敷地の全景(ビフォー写真)

いつ・どこから撮る?
- タイミング:地縄が張られた時がベスト。地鎮祭の日も◎
- 場所:玄関側から
- フレーム:地縄全体が見えるように、引きで
この写真の意味
家が完成した後、5枚目(完成写真)と並べてビフォーアフターとして見返せます。
「ここが何もない更地やったんやで」と、何年経っても家族で振り返れる原点の1枚になります。
📸 撮影のワンポイント
- 5枚目(完成写真)も同じ立ち位置・同じ高さで撮るので、立ち位置をしっかり覚えておく
- 電柱・隣家の角・道路の入り口など、後で再現できる目印を画面に入れる
- 地縄全体が入るよう、少し離れて引きで撮る
- 晴天より薄曇りのほうが影が少なくて見やすい
2枚目|組み上がった鉄筋(配筋写真)

いつ・どこから撮る?
- タイミング:組んでる最中もOK、組み上がった日も◎
- 場所:基礎全体が見える位置から
- フレーム:引きの全体写真がベスト。スラブ筋のアップもサブで撮ると◎
この写真の意味
これが、5枚の中で一番大事と言っても過言じゃありません。
鉄筋は、コンクリートを強固にするために絶対必要なもの。でも、コンクリートが打たれたら二度と見えなくなります。
コンクリートに隠れる前に、絶対に撮っといてほしい1枚。
整然と組まれた鉄筋は、職人の仕事が一番見える瞬間でもあります。後で「ここまで丁寧に組まれてたんや」と振り返れる、家族の宝物になる写真です。
📸 撮影のワンポイント
- 高さは「腰より上」から撮る(しゃがむと鉄筋が重なって見える)
- 斜め45度がベスト(立体感と広さの両立)
- 光は「斜め後ろから」が綺麗に見える。薄曇りの日もコントラストが優しくて◎
- 画面の対角線に鉄筋を入れると構図が決まる
- 引きの全体写真+スラブ筋のアップ写真の2種類撮ると◎
配筋のチェックポイント(かぶり厚・ピッチ・サイコロ・防湿シートなど)を詳しく知りたい方は、別記事で書きました。
→ 配筋検査で施主がチェックすべき4点|現役基礎屋が”気にしなくていいこと”も正直に書く
3枚目|捨コンクリート+防湿フィルム

いつ・どこから撮る?
- タイミング:捨コン打設後〜鉄筋搬入前がベスト
- 場所:基礎の角から対角線方向に
- フレーム:低めの位置から、墨出し線も入れて
この写真の意味
「捨コン」と「防湿フィルム」、施主さんには馴染みのない言葉だと思います。
- 捨コン:基礎の下に薄く敷く、墨出し(位置決め)のための下地コンクリート
- 防湿フィルム:地面からの湿気が基礎に上がってこないように敷く黒いシート
このタイミングは、家の配置・地盤・防湿層が見える最後の瞬間です。鉄筋が運び込まれたら、もう見えません。
捨コンと防湿フィルムがピシーッと敷かれてる現場は、丁寧な仕事の証。後で「あの段取り、綺麗やったな」と振り返れます。
📸 撮影のワンポイント
- 低めの位置からしゃがんで撮ると、広がりとパースが出る
- 基礎の角から対角線で構図を決めると奥行きが出る
- 墨出しの赤・青のラインが入ると、後で「ここに壁が立つ」と分かりやすい
- 薄曇りの日がベスト(白いコンクリートが白飛びしにくい)
4枚目|コンクリート打設中(生コンが出てくる瞬間)

いつ・どこから撮る?
- タイミング:土間(ベース)打設の時が一番撮りやすい
- 場所:必ず職人さんに「どこから撮っていいですか?」と聞いてから
- フレーム:ホースの先端から生コンが出る瞬間
この写真の意味
鉄筋とコンクリートが合わさって、強固な基礎が誕生する瞬間です。
ホースの先端から灰色の生コンが「ドバーッ」と出てくる絵は、家づくりで一番ダイナミックな瞬間。子供さんも釘付けになります。
動きがある写真なので、撮影難易度はちょっと高め。だからこそ、撮れた時の達成感もあります。
📸 撮影のワンポイント
- スマホは「明るい場所モード」または「スポーツモード」で動きを止める
- 連写モードでバババッと撮って、ベストショットを後で選ぶ
- ホースの先端を画面の上1/3に配置すると構図が決まる
- 安全な距離からズームで寄る(近づきすぎない)
- 生コン車・ポンプ車も画面に入るとスケール感が出る
⚠️ 打設中は職人が一番忙しい時間です。遠目で見るのがマナー。詳しくは別記事で書きました。
→ 基礎工事の工程ごとに、写真を残そう|現役職人が教える”我が家の基礎”が見られるたった1時間
5枚目|完成写真(アフター)

いつ・どこから撮る?
- タイミング:大工さんが土台を敷く前が一番ベスト
- 場所:1枚目と同じ「玄関側」から
- フレーム:基礎全体が入る引き+アンカーボルトのアップ(2枚セット推奨)
この写真の意味
基礎屋さんの仕事の集大成。これでビフォーアフターが完成します。
1枚目(何もない敷地)と並べて見ると、「あの更地から、ここまで形になったんや」と感動します。家族のアルバムの表紙級の2枚になります。
もう一枚、アンカーボルトのアップもぜひ。基礎の上にズラッと並んだアンカーが真っ直ぐ通ってる姿は、職人の仕事の精度が伝わる絵になります。
📸 撮影のワンポイント
- 1枚目と「同じ立ち位置・同じ高さ」で撮影(最初に決めた目印を使う)
- アンカーボルトのアップは「真横から低めの位置」で1本のラインを強調
- 朝or夕方の斜光で立体感を出すと、基礎の美しさが際立つ
- ビフォーアフターを並べる前提で横向きで統一
写真を撮るときのマナー|職人さんに一声かけよう
5枚の話ばかりしてきましたが、これが一番大事なので最後に書きます。
写真撮るときは、一声だけでいいので職人さんに声をかけてください。
「邪魔したらアカンかな」と思って黙って撮る方もいますが、むしろ声をかけてくれた方が職人も安心します。
なぜ声かけが大事か
- 危ないところを教えてもらえる(重機の動線、鉄筋の切り口、足元の段差など)
- 特に子連れの時は要注意。職人が動きを把握してくれるだけで、事故リスクが激減
- 「どこから撮るのがおすすめですか?」と聞けば、プロ目線のベストアングルを教えてくれることも
かける言葉はシンプルでOK
- 「お疲れ様です、ちょっと写真撮らせてもらってもいいですか?」
- 「子供連れてきてるんですけど、どこから見てたら邪魔にならないですか?」
これだけで、現場との関係がガラッと変わります。職人も「ちゃんと気を遣ってくれる施主さんやな」と思って、仕事に対する意識も変わるもんです。
撮った写真、どう活用する?|4つの提案
5枚撮ったら、ぜひ活用してほしいです。私の答えは「ご自由にお使いください」ですが、参考までに4つ提案を。
☁️ クラウド保存でバックアップ
Googleフォト・iCloud・Dropboxなど、クラウドに自動アップロードしておくと安心です。スマホ壊れても消えません。
📷 家族のアルバムに
1枚目(更地)と5枚目(完成)を並べてプリント。家族のアルバムやリビングに飾れば、何年経っても「家づくりの原点」が思い出せます。
📁 引き渡し書類と一緒にファイリング
引き渡しの時にもらう建築確認書類・保証書と一緒に、写真を1冊にまとめておくと、万が一の時の記録として最強です。
「うちの家、ちゃんと造られてるんやろか」と将来不安になっても、写真を見返せばあの時の現場が証明してくれます。
📱 SNSにアップもOK
家づくりの記録としてSNSにアップするのもアリ。ただし職人さんの顔が映ってる場合はモザイク処理を。これだけ気をつければOKです。
まとめ|5枚で振り返れる、我が家の歴史
長くなりましたが、最後にぎゅっとまとめます。
5枚のおさらい
- 何もない敷地の全景(玄関側・地縄時)
- 組み上がった鉄筋(引きの全体・斜め45度)
- 捨コン+防湿フィルム(基礎の角から対角線)
- コンクリート打設中(生コンが出る瞬間)
- 完成写真(1枚目と同じアングル+アンカーボルトのアップ)
+α:職人さんに一声かける。これが何より大事。
塩津から、最後に伝えたいこと
基礎は家の土台で一番大事なとこ。
やけど家ができてもたら隠れてまう。
隠れてしまう前に、写真として残しといてほしい。
家づくりは、人生で一度あるかないかの大きなイベントです。なのに、一番大事な土台の部分は、完成したらもう見えなくなる。
だからこそ、写真で残してほしいんです。
難しいテクニックは要りません。スマホで、紹介した5枚を撮るだけ。それだけで、家族の宝物になる記録ができます。
あわせて読みたい
- 基礎工事の工程ごとに、写真を残そう|現役職人が教える”我が家の基礎”が見られるたった1時間
- 配筋検査で施主がチェックすべき4点|現役基礎屋が”気にしなくていいこと”も正直に書く
- 基礎工事で「手を抜かれやすい」5つの工程|現役職人が現場の本音で書く
家づくりの最初の一歩|無料の相談窓口
「うちの業者、写真撮らせてくれる業者かな…」と不安になった方へ。
業者選びの段階で「現場見学・写真撮影に対する姿勢」を確認しておくのが、後悔しない家づくりの近道です。
気軽に使える無料の相談窓口を2つ紹介しておきます。煽るつもりはなくて、「迷ってるなら、第三者に相談してから決める」のが安全というだけの話です。
すまいのいろはPlus|家づくりを「何から始めたらいいか」段階の方向け。
住宅会社の比較ではなく、そもそもの進め方から無料で相談できる窓口です。
家づくり相談所|「後悔したくない」という気持ちが強い方向け。
住宅購入で失敗しないためのポイントを、第三者の立場でアドバイスしてくれます。
どちらも無料で、相談したからといって契約義務は一切ありません。
家ができあがってからじゃ、もう遅い。今、目の前で進んでる現場こそ、未来の宝物です。
スマホ片手に、ぜひ現場へ足を運んでください。
現場の基礎屋・塩津

コメント