こんにちは、現場の基礎屋・塩津です。兵庫県西宮市で住宅の基礎工事を15年やっています。
「契約したのに、後から追加費用って言われたら困るんやけど…」
「ネットで調べたら追加費用の話ばっかり出てきて不安」
「うちは大丈夫やろか…」
家づくりの中でも、施主さんが一番ナーバスになる話題のひとつが「契約後の追加費用」です。
結論から書きます。
基礎工事に関しては、追加費用が出るパターンは「3つだけ」です。
これだけ知っておけば、基礎工事で追加費用に振り回されることはほぼなくなります。
このページでは、現役の基礎屋として、
- 基礎工事で本当に発生する3つのパターンと具体的な金額
- HMと工務店の見積もりスタイルの違い(裏のカラクリ)
- 契約前に施主ができる3つの自衛策
- 追加費用と「業者の信頼性」の本当の関係
を、できる限り正直にまとめました。
業者批判のための記事じゃありません。
現場の人間として、「なぜ追加が発生するか」「どう備えるか」を本音で書きます。
大前提|基礎工事は、実は追加費用が出にくい工程
まず、不安を抱えてる方に伝えたいことがあります。
基礎工事自体は、家づくりの中でも追加費用が出にくい工程です。
キッチンの仕様変更、コンセント追加、外構の変更…家づくりの追加費用って色々あります。でも、基礎工事に限定すれば、出るとしてもパターンは3つだけ。
しかも、その3つは事前にある程度予測できるものばかり。
不安を煽るネット記事は多いですが、現場の人間として正直に言います。必要以上に怯える話じゃありません。
基礎工事で発生する追加費用|3つのパターン
では、3つのパターンを順番に解説します。
- 地盤改良(一番高額・150万円前後)
- 残土処分費の追加(HMと工務店で扱いが違う)
- 地中障害物の処分(解体跡地で要注意・通常の約2倍)
1つずつ深掘りします。
① 地盤改良|一番高額だけど”周辺の地盤”でほぼ予測できる
どんな時に発生する?
建物を建てる前に行う地盤調査の結果、「この地盤じゃ家を支えられない」と判定されると、地盤改良工事が必要になります。
地盤改良が必要かどうかの判断は、調査結果の数値に基づくので、素人が見抜くのは難しいです。
いくらかかる?
工法によって金額が変わります。一般的な戸建ての相場は以下の通り。
| 工法 | 適用される地盤 | 費用相場 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 表層改良 | 軟弱層が地表〜2m | 30〜90万円 | セメント系・浅い地盤向け |
| 柱状改良(杭打ち) | 軟弱層が2〜8m | 100〜150万円 | セメント系の杭・住宅で一番多い |
| HySPEED(ハイスピード)工法 | 軟弱層が2〜8m | 60〜100万円 | 天然砕石・環境に優しい・撤去不要 |
| 小口径鋼管杭 | 軟弱層が深い・支持層が深い | 120〜200万円 | 鋼管・深い軟弱地盤向け |
私がよく現場で見る柱状改良で、一般的な大きさの家なら150万円くらい。
最近はHySPEED(ハイスピード)工法も増えてきています。天然砕石を使う工法で、セメントを使わないのが最大の特徴。
- 有害物質が出ない
- 砕石が水を通すので液状化対策になる
- 将来建て替える時に撤去不要(土地の資産価値が下がりにくい)
- 柱状改良より費用が安く済むこともある(現場条件次第)
施主さんにメリットの多い工法ですが、すべての業者が対応してるわけじゃないので、興味ある方は見積もりの時に「HySPEED工法も検討できますか?」と聞いてみてください。
3つの中で最も金額が大きいのがこの地盤改良。だからこそ、契約前に予測できるかが大事になります。
契約前に予測できる?
これが今回の記事で一番伝えたいポイントのひとつ。
周辺の地盤がどうだったかで、ほぼわかります。
周りの家がしっかり建ってて、地盤改良してないエリアなら、自分の土地だけ極端に軟弱…ということはほぼありません。周りの地盤は硬いのに自分の土地だけ軟弱なケースは稀です。
逆に言えば、周辺で地盤改良してる家が多いエリアは、自分の土地もリスクあるということ。
もちろん「絶対」じゃありませんが、土地探しの段階で周辺の住宅事情を業者に聞くだけで、地盤改良リスクは大体見えてきます。
無料で土地の地盤を調べる方法
業者に聞く以外に、施主さん自身で土地の地盤を事前にチェックする方法もあります。
- 地盤サポートマップ(ジャパンホームシールド)
住所を入れるだけで周辺の地盤調査結果や災害リスクが見られる無料サービス。200万棟以上の調査データから推測してくれます。 - 国土地盤情報検索サイト(国土交通省)
ボーリング調査の結果が公開されている公的サイト。やや専門的だけど信頼性は高い。
「地盤サポートマップ」で検索すれば一番上に出てきます。土地探しの段階で住所を入れて見るだけで、リスクの目安が分かります。
注意点は、これらはあくまで参考情報ということ。最終的な判定は、契約後の地盤調査(SS試験など)で正式に決まります。
② 残土処分費|HMと工務店で”見積もりのカラクリ”が違う
ここが、今回の記事でもっとも独自情報が詰まってる部分です。
そもそも残土ってどれくらい出る?
基礎工事では、地面を掘った土を処分します。これが残土。
一般的な30坪くらいの家で、現況地盤がGL(地面の高さ)に近い場合、15㎥ぐらいの残土が出ます。
3t車で7〜8台分。「思ってたより多い…」と感じる施主さんも多いです。
処分単価は、近年の値上がりで1㎥あたり8,000円ほどになってます(地域差あり)。
つまり、実費としては:
- 15㎥ × 8,000円 = 約12万円
これが「残土処分費の実費」です。
HMの見積もりは”だいぶ余分目”
ここが施主さんに知ってほしい、業界のカラクリ。
ハウスメーカーは、残土処分費を実費の2倍くらい見積もりに入れてることがほとんどです。
なぜか?
- 何かあった時のための安全マージン
- 細かく計算せず、建物の大きさから概算で算出してることもある
- 「追加発生」というクレームを避けるため
つまり、HMの見積もりに「30㎥分(約24万円)」と書いてあっても、実際は15㎥(12万円)しか出ないことがあるんです。
町の工務店は”正直な見積もり”が多い
一方、町の工務店さんは余分に見込んでないことがよくあります。
これだけ聞くと「じゃあ工務店は追加発生しがちで信頼できないやん」と思うかもしれません。
でも、現場の人間として正直に言います。
それは「正当に見積もりしてる」ということ。
余分を乗せず、実費に近い見積もりを出す業者は、誠実な業者とも言えます。
そのかわり、想定外のことが起きた時に「追加費用」として顔を出すだけ。
つまり、
- HMの「予算内で済んだ」=最初から多めに乗ってた
- 工務店の「追加が出た」=最初が正直すぎた
どっちが良い悪いじゃなく、見積もりのスタイルが違うだけ。施主さんはこれを知っておくだけで、見方が変わります。
③ 地中障害物(解体跡地)|通常の約2倍の処分費
どんな時に発生する?
古い建物を解体して建てる土地(解体跡地)で、地中から解体時の建物の残骸が出てくることがあります。
掘ってみたら、コンクリートのガラ、古い基礎の残り、瓦礫…これがあると処分費が一気に跳ね上がります。
なぜ高額に?|分別ができないから
これは現場の人間にしか分からない事情。
細かく砕かれた状態で出てくると、分別ができません。
本来、コンクリート・木材・金属はそれぞれ別ルートで処分するんですが、混ざった状態で細かく砕かれてしまうと、「混合産業廃棄物」として一括処分するしかなくなる。
これが、めっちゃ高い。
いくらかかる?
処分費の単価で比べてみます。
- 通常残土:8,000円/㎥(立米)
- 地中障害物:15,000円/t(トン)
※ 単位が違うのでそのまま比較できないんですが、コンクリートのガラは重量があるので、体積換算すると通常残土の2〜3倍くらいの処分費になります。
たとえば、解体跡地で混合産業廃棄物が出ると10万円〜数十万円の追加になることも。事前に予測できないだけに、出てから困るパターンです。
予測する方法
解体跡地の場合は、契約前に業者に「地中障害物の可能性」を伝えておくのが大事。
解体業者の作業が雑だと、ガラが地中に残されたまま埋め戻されることがあります。解体工事の段階で、ちゃんと処分してもらえてるか確認しておくと、基礎工事のリスクが減ります。
追加費用が発生しやすい業者の特徴|「極端に安い」は要注意
3つのパターンを踏まえた上で、業者の選び方の話をします。
見積もりが極端に安い業者は要注意。
私自身、見積もりを作る時は色んな可能性を考えて、追加費用が出ないように作るようにしています。
地盤、残土、解体跡地、季節要因…現場で起こりうるリスクを想定して、それを織り込んだ見積もりが「正当な見積もり」です。
逆に、他社より極端に安い見積もりを出す業者は、
- リスクを想定してない(→後から追加発生)
- そもそも必要な工程を省いてる(→品質に影響)
- 受注のために意図的に安く見せている(→後から追加で帳尻合わせ)
のいずれかの可能性があります。
業者選びは「どこで建てるか」より「誰と建てるか」と書きましたが、追加費用の問題も結局ここに行き着きます。
施主の自衛策|契約前にチェックすべき3つ
では、施主さんが契約前にできることを3つに絞ります。
① 周辺の地盤がどうだったかを聞く
地盤改良リスクを契約前に予測する方法。
業者や地元の不動産屋に「このエリアの過去の地盤改良の実績」を聞いてみてください。周辺で地盤改良してる家が多ければ、自分の土地もリスクあり。少なければ、リスクは低いと判断できます。
② 「追加費用が発生する条件」を契約書に書いてもらう
これが最強の自衛策です。
契約書に「どんな時に追加費用が発生するか」を明記してもらうこと。
- 地盤調査の結果、〇〇N以下なら地盤改良費を別途請求
- 残土が〇㎥を超えた場合は1㎥あたり〇円で別途請求
- 地中障害物が出た場合は実費精算
こんな具合に書いてもらえれば、後出しトラブルがなくなります。
そしてもう一つ、これを業者に頼んだ時の反応で業者の真摯さが測れるのがポイント。
- 「いいですよ、書いておきます」→ 信頼できる
- 「そんなん書かなくても…」→ 黄色信号
- 嫌な顔をする → 赤信号
③ 見積書の内訳がわかるようにしてもらう
「基礎工事一式」は何が含まれてるかわからない。
これ、現場の人間として正直に書きます。「一式」表記は要注意フラグ。
ちゃんとした業者は、見積もりに:
- 残土処分費(〇㎥分)
- 地盤改良費(必要な場合)
- 型枠費・鉄筋費・生コン費
- 運搬費・諸経費
といった形で明細を出します。
「一式」「諸経費一式」みたいなざっくり表記しか出てこない業者は、説明する気がないか、内訳を見せたくない理由があるかもしれません。
「内訳出せますか?」と聞いてみるだけで、業者の姿勢がわかります。
まとめ|価格より、信頼で決める
長くなりました。最後にぎゅっとまとめます。
この記事の要点
- 基礎工事は追加費用が出にくい工程。怖がりすぎなくていい
- 発生する3パターン:地盤改良・残土処分・地中障害物
- HMは残土を実費の2倍見積もることが多い(カラクリ)
- 工務店の「追加発生」は正当な見積もりの裏返しでもある
- 施主の自衛策3つ:周辺地盤・追加条件・内訳表記
- 「一式」表記は要注意
塩津から、最後に伝えたいこと
お互いに話がすれ違っている時があります。
高いからとか安いからとかでは決められない。
「本当にこの人に任せていいのか?」「信頼できるのか?」
そこを一番に考えながら、業者と関係性を築いていってほしい。
追加費用の話って、結局のところ業者との信頼関係の話なんです。
金額の高低だけで判断するんじゃなく、
- 追加条件をちゃんと説明してくれるか
- 内訳を出してくれるか
- 「一式」で済まそうとしないか
- 質問に丁寧に答えてくれるか
こういう姿勢の部分を見て、信頼できる業者を選んでほしい。
そして、契約後はすれ違いが起きる前提で、こまめに話せる関係を築いてください。家づくりは数ヶ月続くプロジェクトです。一発勝負じゃなく、パートナーシップ。
そう思って業者を選べば、追加費用の話で揉めることは、ほとんどなくなります。
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どちらも無料で、相談したからといって契約義務は一切ありません。
家づくりは、信頼できるパートナーと作っていくものです。金額の安さじゃなく、姿勢の真摯さで決めてください。
現場の基礎屋・塩津

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